maro8686のブログ

挿絵~小説~

~王家の船~ ・神風型宇宙駆逐艦ハヤテ PAT0・1(前編)

翌日
誠矢と真耶を迎えに坂巻進吾と崎景子の
二人が家にやってきた、その理由は
車で秘密のルートを使い
海底基地にあるハヤテに乗船するためだ


海底トンネルを通り乗務員だけが
許された秘密のルートを通ると


移動式ハンガーに乗せられた
神風型宇宙駆逐艦ハヤテがあり
車でそのまま転送ビームで乗船する


そして中に入った途端に
ハヤテ内部のサイズ感が又々おかしな事になる


「これってやっぱり
私達は縮小されているの?」
景子の言葉に


そんな馬鹿なことと・・誠矢は言いたいが
それ以外に説明が付かない事態だ


車から降りた4人の前に
総科学長でる春吉進一郎が出迎える
「今から君達にハヤテの艦内を
説明も加えて案内させて貰うよ」


誠矢は春吉に敬礼する
「有り難う御座います春吉総科学長」


春吉は例のように、手を挙げて
「階級的には同格だし春吉で良いよ大城君」
 と言い握手を求める


それに対し誠矢は握手を握り返し
「ええ・それじゃあ春吉さん
どうか宜しくお願いします」


春吉に案内されながら4人は
最も下のハンガーに向かう
「この艦のサイズに多少戸惑うだろうが・・
大体10分の1サイズに縮小されているとだけ
思ってくれれば良い」


春吉の説明に誠矢達は
「やっぱり」としか言いようがなかった


「どうやってそんな魔法みたいな事を
実現させたんですか?」
誠矢の問いに春吉は


「立派な科学だよ・・ただ・・
我々地球人の科学の常識を遙かに
逸脱した超古代のテクノロジーを
利用したとしか今は言えないがね・・」


何か誤魔化せれた気分は拭えないが・・
このハヤテと言う艦が地球の技術ではない
と言うことは解る


もしかしたら・・この春吉さんも
地球人ではないかも知れないな・・


そんな疑念を誠矢は春吉に抱いたが
それを顔には出さない様にする


「それにしても10倍の大きさだとしたら
ハヤテの本当の全長は1000メートル以上
と言う事ですか?」


誠矢がそう話題を振ると春吉は
「正確には1330メートルだね」と
何事もないかのように答える


「大きさや重量は10分の1なのに
出力と破壊力がそのままだなんて
途轍もない宇宙艦ですよハヤテは」
誠矢はさり気なく会話を進める


春吉はハヤテの話題になると
少々口が滑らかになる様である
「まあ確かにそこが味噌だね・・
小さいのに強さはそのまま
敵はハヤテの小ささに油断して
いつの間にか沈められている」


「そして金属も超圧縮状態となり途轍もない
強度になる上に・・王家の力と同調し
更なる・・おっと!」


そこで春吉は口ごもり・・
「ここから先はまだ・・企業秘密
と言う事で頼むよ」と冗談で誤魔化された


誠矢にしてみれば此処から先が
聞きたいところなのだが


自分達5人が防衛任務で特別扱い
されている理由をそれとなく
聞き出したかった


それにしてもOKの力って何だ?
何かの隠語か?


誠矢は坂巻にそれとなく小声で相談したが
訳が分からないと坂巻に肩を竦められる


まあ坂巻も科学音痴に関しては
自分と大差ない、お互い脳筋なのは
周知の事実だからな・・


まだ真耶や崎さんの方がこの手の
話が出来るだろう。


ハヤテのハンガーに着くとそこには
数十台の重戦車が搭載されていた


「此ほどの戦力・・都市でも墜とせるな」
誠矢の発言に答えるように


「此処の戦車は全て君の部下だよ
大城戦闘隊長殿」
春吉がそう誠矢伝えたとき


「ヘイ・ユー」
屈強そうな筋骨隆々の大男が
話しかけてきた
蒼い目に金髪のこの白人
ただ者じゃないな・・
「ココハカンケイシャイガイ 
タチイリキンシダ」


そして春吉さんを見ると
一瞬でフレンドリーな態度に変わる
「オーミスターハルヨシー
ココニナンノヨウダイ?」


春吉は普通に返事を返した
「ああゴルドー この4人に艦内を
案内しているんだ」


ゴルドーと呼ばれた白人は
誠矢を見て興味津々に
「トコロデコノ 
ワカイオトコハダレダイ?」


フレンドリーな口調ながら
どこか挑戦的な感じがする


春吉は何かを察したのか慌てて
誠矢を紹介した
「無用な挑発はやめたまえ・・彼は君の
上司・ 大城誠矢・総戦闘隊長だ」


ゴルドーはオーバーなジェスチャーで
「ファット?ヘタナジョークハヨセ
シンイチロウ」


こんな若造が?と言う態度だが
春吉さんが本当だと念を押すと
真面目な顔になり
「ソレハ・・シツレイシマシタ
ソウセントウタイチョウ」


「ワタシハ ジャックゴルドー
VYライガーブタイ・タイチョウデアリマス」


ゴルドーは防衛隊の敬礼をして
そのまま去っていた。


春吉はヤレヤレと言った表情で
「仕方のない奴だ・・済まなかったね誠矢君」


「良いんですよ どこにでもあのタイプは
いるんで」 誠矢は現場の叩き揚げと
キャリアと呼ばれる出世組の仲の悪さは
良くあることだと理解していた


向こうからしてみれば、いきなり現れた
若造が突然自分の上司だと言われれば
ああいう態度になるのも解る


自分がキャリア組だとは全く思ってないが
こんな場合には焦らずに少しづつ
実力で解らせていくしか解決方法は無い


「春吉さん 彼処にいるのは?」


誠矢の指し示した方向を見ると春吉はそこに
逆立ちをしている二人の男を見て苦笑いになる
「ああ あれは・・長崎と・・今里だ」


どう見ても何かを掛けて勝負と称して
遊んでいるとしか思えない


「彼等はどう言う男達なんですか・・?」


ああーーっと言いながら困ったように
「その・・つまりだ・ああ見えて
・重戦車隊と軽戦車隊の
隊長なんだな・・二人とも ははは」


本当かよ?あんなのばっかが俺の部下だと
先が思いやられるぞ!
誠矢はコメカミに小さな痛みを感じた。


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